KTM歴史講座。生き字引が語る栄光の半世紀。第1回

ブランド・ヒストリー / BRAND & HISTRY - 2012.11.20

みなさんこんにちは。私はカルマン・チェーです。2010年、1月にリタイアするまで、1965年の終わりから45年間、KTMで働きました。もっとも長期間働いた従業員だと思います。

少しだけ私自身についてお話させて下さい。KTMの仕事に就く以前、イギリスのロンドンにある旅行会社で働いていました。ロンドン時代に結婚し、オーストリアに戻ろうと考えました。ロンドン時代の流れから、オーストリア航空やウイーンの飛行場周辺など旅行にまつわる仕事がみつかるだろうと思っていました。そんな時、KTMが語学の出来る人材を求めているという情報があり、私は話をしてみることにしたのです。KTMが輸出で成長し始めるころでした。入社後80年代の終わりまでKTMで輸出関係の仕事に携わり、2001年から2009年まではKTMイタリアの責任者を務めました。KTMは製品も会社も大きく変化を遂げています。私の話はこのぐらいにして、早速KTMのヒストリーを紹介してゆきましょう。

“KTMの生き字引”とも言われているチェー氏。80年代にはレーシングマネージャーも務めた。

KTMの生き字引とも言われているチェー氏。80年代にはレーシングマネージャーも務めた。

●KTM 社名に使われた三文字の由来とは?

KTMの“T”にあたるのが創業者、ハンス・トゥルンケンポルツです。トゥルンケンポルツは創業地であり、KTMの“M”であるマッティングホーフェンの町で1934年に修理工場を興します。後にドイツのDKW製モーターサイクルのディーラーを始め、大きく成長を始めます。そしてトゥルンケンポルツは、自身でKTM市販車第一号になるR100を設計し生産をすることでメーカーへの道を歩んだわけです。

その時、事業に投資したのがKTMの“K”であるエルンスト・クローノライフでした。彼は裕福な家庭で育ち、この興味深い事業に投資をしたわけです。クローノライフがトゥルンケンポルツと手を組み、1953 年、KTMとして始動します。つまり、KTMの三文字は創業者二人の苗字、そして創業地の町の名前から来ているのです。

設計図面に向かいアイディアを相談する設計者達。1955年頃。

設計図面に向かいアイディアを相談する設計者達。1955年頃。

KTMは当時からモータースポーツに積極的で、1954年にはエンデューロレースに、また、MVアグスタ製の空冷4サイクルDOHC単気筒125㏄エンジンを搭載したロードレーサーで国内チャンピオンにもなっています。当時は公道でレースそのものが行われていました。ハンス・トゥルンケンポルツの息子で後のKTMを率いる事になるエリック・トゥルンケンポルツも、レースに参加するライダーだったのです。(続く)

レースには積極的に参加していました。創始者・ハンスの息子であったエリックもレーシングライダーでした。

レースには積極的に参加していました。創始者・ハンスの息子であったエリックもレーシングライダーでした。

[GROUP] THE LEGEND キーマンが語るKTMの歴史

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