2年連続エルズベルグロデオを完走! 田中太一さんインタビュー 前編 決勝出場500名中、完走はたったの9名! 世界一完走率の低い、 Red Bullヘアスクランブルの凄さって?

ブランド・ヒストリー / BRAND & HISTRY - 2012.12.18

Q:エルズベルグロデオ“Red Bullヘアスクランブル”2年連続完走おめでとうございます。そしてお疲れ様でした! それにしても、フィニッシュ後、恐いぐらい疲れた表情でしたね!
田中太一さん:「ありがとうございます。今年もKTMのサポートを受けて完走することができました。あの顔はカメラマンのリクエストに応えてしただけで、怒っていたワケじゃなかったんですよ(笑)。」

Q:過酷で知られるこのイベント。今年で17年目です。そして例年、1500台以上がこのRed Bullヘアスクランブルにエントリーして、500名が予選を通過。決勝は4時間という制限時間内に、アイゼンエルツの鉱山跡地に作られた40キロの特設コースにある20箇所のチェックポイントを通過して、完走できるのがわずか20台足らず。今年はその完走者がさらに少ないわずか9名でした。特に今年は厳しいコース設定だったのですか?
田中太一さん:ルートは昨年同様でした。ただし、レース前に降った雨の影響で、鉄鉱石のロックセクションなどが恐ろしく滑りやすかった。まるで岩にコケが生えているような滑り方です。気温も低く、20度に届いていなかったと思います。濡れて滑りやすい上に、昨年のような気温だったらもっと過酷だったでしょう。それでもバイクを押すしかない場所もあり体力を消耗しました。汗で塩分を失い手足の筋肉がツルんです。痛い! 観客からスポーツドリンクを分けてもらいながら走りました。

昨年のRed Bullヘアスクランブルで、5列目からスタートし13位フィニッシュという伝説を作った田中太一選手。エルズベルグロデオのオフィシャル写真も撮られるほどのライダーだ。

昨年のRed Bullヘアスクランブルで、5列目からスタートし13位フィニッシュという伝説を作った田中太一選手。エルズベルグロデオのオフィシャル写真も撮られるほどのライダーだ。

Q:体力勝負だったと。
田中太一さん:体力、気力ももちろんですが要領だと思います。例えばロックのヒルクライムだと、ラインを外してしまうだけで、ベストラインにバイクを戻すまでに、数分くらいすぐに掛かってしまう。そうした小さい積み重ねが、トップを取ったタディーの2時間12分03秒と僕の3時間14分48秒という差になったのだと思います。レース前、ダカールチャンピオンのシリル・デプレと一緒にコース下見に出ました。彼はどん欲にルートをチェックする。その要領も歩いて回る体力も凄い。凄い登り坂でフーフー言っていたら、「フィジカルを鍛えなさい」と言われてしまいましたよ。

あのシリル・デプレも、チェックポイント不通過で失格になってしまった。

あのシリル・デプレも、チェックポイント不通過で失格になってしまった。



 

Q:デプレも2度、Red Bullヘアスクランブルを制している人で、完走者の常連です。そんなデプレでさえフィニッシュに戻りながら、チェックポイントの不通過で完走扱いにならず、という厳しさでした。その厳しい環境の中、7位完走は凄いと思います。田中太一さんは、昨年、予選であるプロローグでタイムロス。1列50台ずつ時間差スタートするこのRed Bullヘアスクランブルで、スタート5列目から完走という、エルズベルグロデオにとって前人未踏の伝説を作りました。今年はしっかり1列目からスタートしていますし、リザルトを見ると昨年よりもさらに完走者が少ない。
田中太一さん:もちろん7位完走ですが、この結果がどのようにシーンを賑わすのか。それが本当のゴールだと思っています。エルズベルグロデオに参戦した僕が通らないといけない“21番目のチェックポイント”ですね。

レース後の田中太一選手。この写真は、“不機嫌なタイチ”とは別カットだ。手にフィニッシャーの証しであるフラッグを持っている。

レース後の田中太一選手。この写真は、“不機嫌なタイチ”とは別カットだ。手にフィニッシャーの証しであるフラッグを持っている。

 

 

オレブロ:深いですね。昨年のプロローグでの失敗を「スピード不足だった」と表現されていましたが、そのために今年は事前にトレーニングもされたそうですね。
田中太一さん:カート・キャッセリというカリフォルニアのライダーのもとで1カ月間トレーニングしてきました。カートは、KTMファクトリーライダーのデビッド・ナイトが怪我で欠場することになったためWECのレース10日前に急遽招聘され、見事2位に入る実力の持ち主です。
カートの自宅はカリフォルニアのパームデールという町にあります。ガレージからダートバイクで練習している場所まで移動できるような田舎です。
7時30分に起きて、10時から4時間ぐらい練習用のコースを走る。午後3時過ぎには自宅に戻り、ゆったりと過ごす。練習するのがMXコースだったり、デザートだったりその日によってちがいます。多くを学びました。

話はいよいよ佳境に入りました。アメリカでのトレーニング、そして本番のエルズベルグへ──。後編に続きます。 

フィニッシャーに与えられるのは栄誉とこのフラッグだけだ。左はKTMジャパンのシャノー社長。

フィニッシャーに与えられるのは栄誉とこのフラッグだけだ。左はKTM JAPANのシャノー氏


 

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