2年連続エルズベルグロデオを完走!田中太一さんインタビュー 後編 20のチェックポイントを通過して、結果は7位。問題は“21番目のチェックポイント”なんです。

ブランド・ヒストリー / BRAND & HISTRY - 2012.12.18

KTM:さてさて、すでに百戦錬磨というイメージがある田中太一さんが、カート・キャッセリから学び取ったこととは?
田中太一さん:「もっとスムーズに走るんだ」と何度も言われました。「攻めるという走りではなく、流れるように走るんだ」と。カートのコースにはいくつものサークル状のコーナーがあって、そのコーナーを速くスムーズに抜けるような場合、最初、リアブレーキを多用する僕を見て、カートは僕のバイクからリアブレーキパッドを知らない間に外してしまっていた(笑)。 

すり鉢状の底からのスタートとなる。写真左下方に決勝レースを走る500台のバイクが並んでいる。

すり鉢状の底からのスタートとなる。写真左下方に決勝レースを走る500台のバイクが並んでいる。

 

 

 

KTM:えええええ!
田中太一さん:最初は驚きましたよ。「効かない!」と。でも、「コーナーを抜ける組み立てを変えろ」という意味でもあった。そうすると、自分では頑張って攻めるような走りをしなくても、スムーズに速くコーナーを曲がれるようになっていく。コーナリング中のフロントブレーキの使い方も参考になりました。とにかく速度感を含め、向こうの土地の広さ、道の広さ、クルマの大きさ、スケール感が変わりました。多くを学んだのはもちろん、彼と彼の仲間達と人間関係が出来たことも大きな収穫でした。締めくくりにカリフォルニアのサンバーナディーノで開催されたラスト・ドッグ・スタンディングというイベントに参加しました。

KTM:ちょっと調べてみました。DIRT BIKE MAGAZINEのサイトにリポートが。ちゃんと田中さんの事もエルズベルグロデオに行くライダーがアメリカに立ち寄って走った、と紹介されています。
45分間のエンデューロクロスで、上位50%がセクション山盛りの一周12キロのレースに進む、とあります。カリフォルニアでは今までにない種類のレースだ、とリポートされています。
田中太一さん:最初の予選であるエンデューロクロスはコケまくりました。13位で通過して、メインレースは3位。エルズベルグロデオに出発するために、日本に帰国する1日前がレースだったので大変でしたが、カート・キャッセリとの練習の成果を確認できたという意味では大きかったですね。

 1列目からのスタート。世界で最も過酷なレースが、ここから始まる。

1列目からのスタート。世界で最も過酷なレースが、ここから始まる。 

  

KTM:そしてエルズベルグロデオ本番です。
田中太一さん:KTM250XCWで参戦しました。事前トレーニングの成果はプロローグで確認できました。昨年は全開で走るハイスピードのプロローグに対して目が慣れていなかったためにミスも多く、結果的に5列目という結果になった。今年はじっくりコースも見ることができて30番手で1列目スタートです。

KTM:バイクのセットアップに秘訣はあるのでしょうか?
田中太一さん:プロローグではスピードが求められますが、Red Bullヘアスクランブルでは別の方向性が必要になります。足つき性です。例えばローシート。それに車高も下げています。昨年は車高を下げるのに、スプリングのイニシャルプリロードを緩めるぐらいのサポートでしたが、昨年の完走した実績があったのか、今年はWPのメカニックが全長の短いサスペンションを作ってくれたり、ダンパーの特性もイジってくれました。結果を出さないといけない世界でもありますね。とは言っても、基本的にバイクはストックの状態でした。250XCWにはセルフスターターが着いている、これは心強いです。エンストぎりぎりの所のトルクを生かした走りに挑戦出来ます。エンストしてもセルで掛かりますから、リカバリーも速い。セルは友達です(笑)。 

これから何が出来るのか? “21番目のチェックポイント”を、田中さんは目指している。

これから何が出来るのか? “21番目のチェックポイント”に向かって、田中さんは走り出した。

 

 

 

KTM:そして濡れた岩……。
田中太一さん:難所ではKTMのスタッフにも励まされました。15メートルぐらい先で「ここまできたらつめたい飲み物があるぞ」と。で、そこまで行くとまた15メートル先に居る。よく画像にも出てくるロックセクションまでは5番手を走っていました。押して上がらないとどうにもならない部分もあったりして、苦戦しました。

KTM:田中太一さんとしてはレースのリザルトだけが結果ではない、とお考えだと聞いています。
田中太一さん:結果的には7位ですが、そこが目標ではありません。ある意味、今日本のモータースポーツは静か過ぎると思います。もっとこのスポーツの魅力を引き出したい。ライダーというプロフェッショナルとしてどうノイズを出して行くのか。それが前にもお話したエルズベルグロデオの“21番目のチェックポイント”だと考えています。昨年行ったRIDE IS LIFEのようなイベントもさらに魅力的にして開催したいですしね。

KTM:応援しています。ありがとうございました。

 

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